活躍するテディーベア
『今もこんな場所で活躍しています』


テディベアは今でもいろいろな場所で活躍しています。その例をいくつか紹介いたいと思います。

まずは、アメリカの警察の話です。
アメリカの警察の多くで、パトカーにテディベアを積んでいます。警察署からパトカーが出動する際には、必ず数体が積み込まれます。ベアは、事故や虐待にあった子どもたちなど、出動先で出会う幼い被害者に手渡されるのです。また、子どもたちにだれかの死を伝えなければならないとき、家族のだれかが逮捕されるときなど、子どもたちの動揺が予想されるケースでもベアは手渡されます。
その効果について、これまでに自らの手でたくさんのベアを手渡してきたカレン巡査部長はこう話しています。「テディベアは、子供たちにとって大きな慰めと安心になるんです。彼らにとって世の中がひっくり返ったも同然の大変な事態が起きても、ベアにすがりつくことで、それを乗り越えることができる。テディベアはそうした手助けをしてくれるんです。」

署内には警察が寄付を集めて集めた、たくさんのテディベアが出番に備えてストックされています。テディベアをあげるようになる前は、なんとハンバーガーショップなどに行って甘い飲み物やハンバーガーを買い、子どもたちを落ち着かせていたというのです。それはそれで、警察のなんとも言えないほのぼのとしたやさしさを感じさせるエピソードなのですが、警官たちに言わせると、やはりテディベアのほうがずっと効果的だそうです。食べ物は食べてしまえば終わりですが、ベアとなら子どもがずっと友だちのような関係を築けるからです。
また、リチャード・マーフィー巡査部長も次のように話しました。「私たちは、子どもにできる限り気持ちを楽に持ってほしいんです。テディベアはそのためにいい道具です。ベアは子どもたちの人生に一部分になるんです。また、ベアは子どもたちに対して、私たちは友達なんだよ、ということを示すのに最適です。警察は子どもの味方。本当ですよ。」

カレン巡査部長がベアを渡した子どもの1人に、交通事故にあったリン・アリソンちゃんという女の子がいます。現場に駆けつけ事故の処理をする一方で、リンちゃんのショックを和らげるためにテディベアを渡したのでした。 11歳のリンちゃんは警察のテディベアについて次のように話してくれました。「お巡りさんがくれたテディは私を助けてくれました。だってお巡りさんが見守っていてくれているように感じたんです。」 カレンさんたちの勤務は8時間ずつ3交代制です。8時間の勤務が終わると、次に出勤する警官にテディベアを引き継ぎました。


次にカウンセリングとテディベア。一体どんな関係があるのかと思われるかもしれませんが、実はテディベアはカウンセリングの現場でも非常に重要な役割を担っているのです。アメリカではかなり多くのカウンセラーが1980年代からカウンセリングにテディベアを使っています。インナーチャイルド・セラピーという療法では、幼いころに傷ついた心の痛みに、今の苦しむ大人のためのセラピーです。生まれ育った家庭に何らかの問題を抱えているとき、子どものニーズは満たされず、体だけ大きくなってしまいます。 そして、いつも私たちの中の大人の部分“インナーアダルト”に愛されているのかどうかを心配しています。愛されていないと感じると、孤独感や虚しさ、悲しみや屈辱感、不安感、恐怖心でいっぱいになり、パニックになったり、落ち込んだりします。セラピーに使うベアは、クライアント(セラピーを受ける人)がいつでも自由に触れるように、部屋のいたるところにいます。
クライアントの1人に、自分が無能で価値もない人間だと感じ、苦しんでいる人がいます。原因は、幼いころに精神不安定だった母親に言葉の暴力を浴びせられ、愛情を十分に受けられなかったことにあります。母親が自分を嫌うのは自分がおかしいからに違いない、自分がわるいこだから母親に無視されたんだ、と思い込んでしまいました。そのため、今でも母親を思い出す場面にあうと、恐怖や自己嫌悪になり、自分の殻に閉じこもってしまいます。
カウンセリングでは、テディベアを“愛情の受けられなかった幼いころの自分”に見立てて、そのベアを“大人の自分”が愛情を注いであげることで、自分は価値のない人間ではなく、愛情を受けるに値する人だと、自分を正当に評価できるようにしていきます。まだ完全に自分を評価できないでいますが、このクライアントは、感想をこう言っていました。 「テディベアを見ていると、自分が純粋で、愛らしい存在だと思うことができるのです。テディベアはとてもかわいらしいんですもの。ベアは、私が愛されるべき子どもだったんだという事を信じやすくしてくれます。私は大丈夫なんだ、母の扱いから自分は悪い人間だと思い込んでいたけど、そうではないんだと感じることができます。私は愛すべき人間なんだって。そう、私は愛すべき人間なんです。」

母グマは自分を犠牲にして子グマを守ります。なので、テディベアは母性や保護の象徴なのです。それと同時に子グマは、やわらしく愛らしい、人の母性・父性本能をくすぐる存在でもあるのでしょう。テディベア自身はしゃべることができませんが、“受け入れられ、愛されている”と人に感じさせる存在なのでしょう。


みなさんも、世界を震撼させたアメリカ同時多発テロを覚えているでしょう。ニューヨークでは3000人近くの人々の生活が一瞬にして瓦礫の下敷きになりなした。
事件後1ヶ月の間に、現場の近くの赤十字病院に10万体を超えるテディベアが寄せられました。大切な人を亡くした遺族、家や職を失った被災者などに希望をもたらす贈り物として手渡されてきました。こうした10万体の内、約6万体はたった1つの州、オクラホマ州からでした。オクラホマ州から6万体ものベアが贈られたのは、6年前同じように、テロによって悲劇を体験していたからでした。そして、この時にオクラホマ州の人々にとって心の慰めとなったのが、どこからともなく集まり配られたテディベアだったのです。
そのためアメリカの同時テロを知ると、自然にテディベアをおくりたいという動きが起こりました。大人から子どもまでが、自分たちの勇気や希望をおくりたいとあつまりました。そのなかには新しいベア、大事にされてきたベア、ニューヨークの人々を気遣う気持ちが託されたベアなどいろいろいました。
母親が事件に巻き込まれたフィリップ・トンプソンさんも、被災者の1人としてテディベアを受け取りました。フィリップさんの母親は最後の犠牲者として、事件の1ヵ月後に見つかりました。フィリップさんはこう言っています。「混乱していて、毎日どうすればいいのかわかりませんでした。希望を持とうとしても、愛する人の遺体を持って、埋葬しないといけないと思う恐怖の日々でした。ですから、悲しみから心をまぎらわす物があるというのはすばらしいことで、テディベアはまさにそうしてくれました。うれしかったです。家族がすがりつくか、慰められる何か、それがテディベアだったと思います。」

またテディベアを送られた人たちから、オクラホマ州の人たちへ感謝状が届きました。そこには、「わたしをまた幸せにしてくれてありがとう。」「世界が平和でありますように。ベアは私を楽にしてくれます。やさしくてお医者さんのようです。」というメッセージが書かれていました。そしてどの感謝状にもテディベアが描かれていました。

写真のTeddyBearはBeanie Babiesの『America』(青いベア)と『Hope』です。
Americaはこの同時多発テロを受けて、世界各地で発売されました。日本語のタグにはこのように書かれています。

   2001年9月11日に起きた国家の大惨事により、
   生命を失われた方々を追悼して。
   犠牲になられた方々、ご家族に 深い弔意を表します。

   アメリカに神のご加護がありますように

   このビーニーベイビー”アメリカ”による収益金は、
   米国赤十字の災害救済基金に寄付されます。


また、オクラハマ州から送られたテディベアの中にはこのHopeが含まれていました。みんなの幸せ、ニューヨークの復興、そして世界平和を祈った人々の思いがこのベアに託されたのでしょう。




ドイツで毎年春に開催される世界最大のテディベア・ショー、“TEDDYBAR TOTAL”に1998年、片足のテディベアがいました。それは、ドイツ赤十字による地雷の被害者救済のためのキャンペーン・ベアでした。ドイツでは、戦争を知らない子どもたちからお年寄りまで、片足のベアを見た瞬間に地雷の被害者のための寄付を募っているのだと、すぐにわかるようになりました。 このベアは、10マルク(約600円)以上の寄付をした人に渡されました。その他、同じテディベアのマークのTシャツや風船などもつくられ、募金の材料となりました。集まった寄付は薬などに替えられ、コソボやアフガニスタンなど、地雷の被害が続く国々に送られたのです。
募金集めは、コソボ紛争が激化した1998年から1999年にかけて、ドイツ全土で大々的に行われました。344の学校が地雷の現状について勉強した後、寄付の金額を競ったり、サッカーの試合会場に片足のベアの巨大なバルーンを上げたり、会場の外でテディベアを売りました。テディベアという身近で、みんなに親しまれている存在が、助けを必要と している姿をしていることが人々の心を捉えたのでしょうか。






  活躍 Prt1 


   ぼくの青空 

To somewher。。。


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